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しらゆき
さく:カンバラクニエ
偶然にも冬の寒い日に生まれました。
みんなとは少し違う緑がかった瞳は父譲り、
まっ黒の髪と赤めの頬は母譲りらしい。
幼い頃から色白なこともあり、
みんなは私のことをよく「しらゆき」と呼んだ。
自分のことを自分で「しらゆき」なんて
恥ずかしくて呼んだことはないけれど、
生まれた時につけられた本当の名前が偽者なのかと思うほど
「しらゆき」という名がいつだって私だった。
幼き頃から「しらゆき」の私の心には
やはり他の話より鮮明に「白雪姫」が住みついた。
とにかくお話の世界を彩る黒、銀、白、赤という色が私を魅了した。
黒い髪を一度だって染めようと思ったことはない。
夜が好き、冬が好き。
運動が嫌いなのもあるけど、
白い肌はどうにも焼きたくない。
唇に最初に差した色は真っ赤だった。
私が私の容貌を、
時にばかにされてもいつも誇っていられたのは白雪姫のおかげ。
でも、「白雪姫」の魅力は
彼女と私を重ねて読むような単純な喜びという訳ではなかった。
買い与えてもらった白雪姫の絵本は擦り切れるほど読んだし、
ビデオも何度も見たけど、
いくら読んだってその結末はなんだか薄っぺらくしか心に残らない。
美しい彼女は
深い森でも、不法侵入した小人の家でも、
いつだってなすがまま、なるがままに、
彼女の周りに私は最初から最後まで不幸は感じなかった。
私は彼女じゃないけれど、
「しらゆき」だから、なすがまま、なるがままに生きていく。
私は彼女じゃないから、少々の毒は喜んでいただくし、
懐に毒リンゴ隠しておくし、彼女よりたくさんしたい事をしたいようにする。
鏡を覗けばいつでもあなたがいて、あなたはいない。
あなたのことはどうでもいい。
ふかいもり、どくりんご、はなのくびかざり、よぞらのほし、みんな私の世界。
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